「補助輪、もう外した?」
公園で親どうしが交わす、よくある一言です。聞かれると、なんだか遅れているような気がしてきます。
でも、何歳で外すかに決まりはありません。見てほしいのは年齢ではなく、その子がいま何をできるかです。
外すのはいつごろ?
補助輪つきの自転車で、次のことができていたら、外してみてもいいころです。
- ひとりで、こいで進める。親が押さなくても、自分の足で走り出せる
- ハンドルで曲がれる。公園の道の角を、ぶつからずに曲がれる
- ブレーキで止まれる。レバーを自分の手でしっかり握って、止まりたいところで止まれる
- 本人が嫌がらない。「外したい」と言い出したら、それがいちど試すきっかけです
反対に、ブレーキを握れず足で止まっているうちは、もう少し補助輪のままで大丈夫です。
外すと、なぜぐらつく?
自転車は、傾けて曲がる乗り物です。
乗れる人は、倒れそうになると、倒れる側へ少しだけハンドルを切って立て直しています。自分では気づかないくらい小さく、ずっとくり返しています。
ところが補助輪があると、自転車は傾きません。曲がるときも、ハンドルを切るだけで済んでしまいます。
つまり補助輪つきで上手になれるのは、「こぐ」と「ハンドルを切る」まで。「傾きを立て直す」は、補助輪がある限り練習できないんです。
だから、「補助輪で上手に走れる子なら、外したその日から乗れる」は、よくある勘違いです。外したとたんにぐらつくのは、下手になったのではなく、初めてやることだからです。
どう練習すればいい?
おすすめは、いきなりこがせないことです。ペダルも外して、キックバイクのように地面を蹴って進むところから始めます。
- 補助輪とペダルを外し、サドルを下げる。座ったまま、両足の裏がべったり地面につく高さにします
- またがって歩く。ハンドルを持って、歩くように進みます
- ブレーキで止まる。歩きながら、合図でレバーを握って止まります。進むより先に、止まれるようにします
- 蹴って進む。両足で交互に地面を蹴って、少しずつ速くします
- 足を浮かせる。蹴ったあと、両足を浮かせたまま進みます。数メートル進めたら、傾きを立て直せています
- ゆるく曲がる。大きな円をかくように、足を浮かせたまま曲がります
- ペダルを戻す。片方のペダルを、前の少し高いところ(時計の2時ごろ)に置いて、踏み込んでこぎ出します
覚えておいてほしい合言葉は、「こぐ前に、蹴る」です。バランスとこぐことを、別々に覚えるほうが近道になります。
キックバイクに乗っていた子なら、4〜6は済んでいることも多いはずです。キックバイクについてはキックバイクは何歳から?にまとめています。
ペダル、家で外せる?
工具があれば外せます。ただ、ひとつ落とし穴があります。
左のペダルは、ねじが逆向きに切ってあります。ゆるめるときは、ふつうのねじと反対の向きに回します。こいでいるうちにペダルがゆるまないようにするためです。
知らずに力いっぱい回すと、締めつけてしまったり、ねじ山を傷めたりします。自信がなければ、店に持ってきてください。
補助輪を外すと、止めておくためのスタンドが要ることもあります。
| 作業(こんなときに) | 工賃(税込) |
|---|---|
| スタンド取付・交換 補助輪を外したあと、止めておくスタンドを付ける |
990円 |
表は取り付けの工賃で、スタンドの代金は別です。作業の前に金額をお伝えします。
どこで練習する?
車の来ない、広くて平らな場所を選んでください。
- 公園は、看板を見てから。自転車の乗り入れを禁じている公園もあります。入口の看板や、公園の案内で確かめてください
- 交通公園も候補に。区や市の「交通公園」には、子どもが自転車の練習をできるところがあります
- 道路と歩道は、練習の場所にしない。ふらふらしているうちは、車にも、歩いている人にも近づかない場所で
地面は、土や芝生より、平らな舗装のほうが蹴って進みやすいです。人の少ない時間を選ぶと、本人も周りを気にせず練習できます。
親は、どこを支える?
後ろから支えるなら、ハンドルではなく、肩か背中です。
親がハンドルを持つと、子どもは自分でハンドルを切って立て直す練習ができません。さっきの仕組みの話を、親の手が止めてしまうんです。
ヘルメットは、練習の初日からかぶせてください。子どもにヘルメットをかぶらせるよう努めることは、法律でも決まっています。長そで・長ズボンだと、転んだときのすり傷が減ります。
練習は、疲れて転び始める前に切り上げるのがコツです。「今日はここまでできた」で終わると、次の日もやりたがります。
補助輪は、いつか外れる
外す日が早いか遅いかは、乗れるようになってしまえば誰も覚えていません。
今日できたのが「またがって歩く」だけでも、それは補助輪なしの一歩目です。サドルの高さやブレーキの握りやすさが合っているか気になったら、自転車ごと近くの店へどうぞ。