自転車のブレーキが効かない、レバーがスカスカ。乗ってよいかの見分け方と修理代

下り坂でレバーを握ったのに、思ったほど止まらない。よく見ると、レバーがグリップにくっつきそうなほど入っている。あのヒヤッとした感覚、まだ手に残っていませんか。

夕暮れの歩道で、女性が自転車に乗らずに押して歩いている。カエルの店員がランタンを持って横を歩いている

ブレーキは、ある日いきなり効かなくなるより、少しずつ効きが落ちていくことのほうが多い部品です。

毎日乗っていると、体がその変化に慣れてしまいます。前より少し強く握る。少し手前から握りはじめる。そうやって、知らないうちに帳尻を合わせているんです。

ヒヤッとしたのは、その帳尻が合わなくなった瞬間かもしれません。

今日は乗っても平気?

先に、乗るのをやめてほしい状態を書いておきます。

  • レバーを握ると、グリップにつくところまで入ってしまう
  • 握りきっても、押した車輪がそのまま回る
  • 前か後ろ、どちらか片方しか効かない
  • ワイヤーがほつれて、細い線がささくれ立っている

ひとつでも当てはまったら、今日は乗らずに押して歩いてください。

「ゆっくり走れば平気」は、ブレーキについては当てはまりません。止まれなくて困るのは、飛び出しや赤信号のように、止まる瞬間を自分で選べないときだからです。

なぜスカスカになるの?

ママチャリ(シティサイクル)の多くは、手元のレバーとブレーキ本体が、1本のワイヤー(細い金属の線をより合わせたもの)でつながっています。

レバーを握るとワイヤーが引っぱられ、その先でブレーキが車輪をしめつける。ひもを引いて、離れたところのものを動かすのと同じ仕組みです。前輪はゴムで車輪の縁(リム)をはさみ、後輪は車輪の真ん中で止める形が多く見られます。

このひもの途中に「空振り」が増えていくのが、スカスカの正体です。

  • ワイヤーが伸びる。使ううちに少しずつ伸びて、ひもがたるんだ状態になります。握りはじめてから効きはじめるまでの距離が長くなります
  • ブレーキゴムが減る(前輪)。ゴムが薄くなると、縁までの距離が遠くなります。そのぶん、レバーを深く握らないと届きません
  • ワイヤーがさびる・ほつれる。中で動きが重くなり、握った力が伝わりにくくなります。ほつれは、切れる手前のサインです

雨の日に効きが落ちるのは、また別の理由です。縁がぬれると、ゴムとの間に水がはさまってすべります。ぬれた日は、晴れの日より早めに握りはじめてください。

深く握れば止まる?

奥まで握れば、まだ止まる。だから大丈夫。そう思っていませんか。

ここに落とし穴があります。レバーは、握りきったところで行き止まりです。ふだんから奥まで握っているということは、急ブレーキのときに足せる力が、もう残っていないということなんです。

もうひとつ。深く握らないと効かない自転車は、手の小さい人や、握る力の弱い人には握りきれないことがあります。

家族で1台を使っているなら、自分の手の感覚だけで決めないでください。

家で確かめるなら?

道具はいりません。自転車を押して歩きながら、片方ずつ試します。

押し歩きで確かめる

  • 前のブレーキだけ握る。前輪が止まって、押しても車体が前へ進まなければ効いています。前輪がずるずる回るなら、効きが足りません
  • 後ろのブレーキだけ握る。後輪が止まって、地面を引きずるようになるかを見ます
  • 握りきったとき、レバーとグリップの間に指が入るか。すき間がなくなるほど入るなら、調整が要ります
  • レバーの根元と、ブレーキ本体の近くのワイヤーを見る。茶色いさびや、ほつれがないか

前輪のゴムの減り具合は、音の出方からも見当がつきます。キーキー鳴っているなら、ブレーキのキーキー音の記事もあわせてどうぞ。

直すといくら?

サイクルスポットの工賃は全店同じです。効きが悪いときに関係する作業は、このくらいです。

作業(こんなときに) 工賃(税込)
ブレーキ調整
ワイヤーの張りを戻して、レバーの空振りを減らす
880円
ブレーキゴム交換(一般)
前輪のゴムが減った・硬くなった
2,200円〜
ブレーキワイヤー交換
ワイヤーがさびた・ほつれた・伸びきった
3,300円〜
一式点検
どこが悪いのか分からない。ほかも気になる
2,750円

「〜」が付いている作業は、使う部品で金額が変わります。

後輪の真ん中に入っているブレーキそのものが傷んでいるときは、部品の交換になります。工賃表には載っていない作業なので、見てから、作業の前に金額をお伝えします。

ほかの作業の料金は工賃表にあります。

調整で済むうちに

修理代の話を、もう少しだけ。

ワイヤーの伸びや、ゴムの当たり方のずれなら、ブレーキ調整(880円)で戻ることがあります。ところが、ワイヤーがさびたり、ほつれたりしてからだと、ワイヤーごとの交換(3,300円〜)になります。

「まだ止まるから」と待つほど、作業も金額も大きくなりやすいんです。

スカスカに気づいたその日が、少ない出費で済ませられる日です。

乗らずに押してきて

効かないブレーキのまま、店まで乗ってくる必要はありません。押して、近くの店へどうぞ。

店では「いつごろから効きが悪いか」「前と後ろのどちらか」を教えてください。その場で直らないものも、所要時間と金額を先にお伝えします。

直るまでは、その自転車は押して歩く道具です。止まれる自転車に戻してから、また走りましょう。

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