実はこの音、ちゃんと理由があります。
しかも「どこから、どんな音がするか」が分かれば、原因はだいたい絞れます。
音の正体、自分でできること、お店に頼んだときの金額。この3つが分かれば、止まるたびにびくびくしなくて済みます。
そもそも、なぜ鳴るの?
キーキー音の正体は、とても細かい振動です。
ブレーキをかけると、ゴムが車輪の縁(リム)をこすります。このときゴムは、「ひっかかる → すべる」をものすごい速さでくり返しています。その震えが、音になって耳に届きます。
黒板を爪でひっかいたときの、あのイヤな音。実は同じ仕組みです。バイオリンの弓が弦をこすって音を出すのも、仲間のようなものです。
だから、ゴムが古くなって硬くなったり、縁に汚れがついたりして「ひっかかり方」が変わると、鳴りやすくなるんです。
音で、原因の見当がつく
ちょっと思い出してみてください。音は、どこから、どんなふうに鳴っていますか?
- 前輪から、高い「キーーッ」。ブレーキゴムが減ったか、硬くなったか、縁が汚れているか。ママチャリ(シティサイクル)の前輪は、多くが縁をゴムではさんで止めるブレーキです
- 後輪の真ん中あたりから、低い「グーン」「ゴー」。車輪の真ん中(ハブ)の中で止める「ローラーブレーキ」の、グリス(すべりをよくする油)切れかもしれません
- 雨の日だけ鳴る。縁がぬれたり泥がついたりして、すべり方が変わるためです。乾くと静かになることもあります
- ブレーキをかけていないのに「シャー」とこすれる。ゴムが縁に当たりっぱなしになっています。ゴムの位置がずれているサインです
油は、ちょっと待って
音がすると、つい油をさしたくなりますよね。ドアのきしみなら、それで静かになります。
でも、ブレーキは「すべらせないため」の部品です。油をさすと、ゴムと縁がすべって止まりにくくなります。音は消えたのに、止まれない自転車になってしまう。これが、とても怖いパターンです。
後輪のローラーブレーキには中にグリスを入れますが、こちらは専用のグリスです。家にある油では代わりになりません。
30秒セルフチェック
お店に持っていく前に、ここだけ見てみてください。
自分で見られるところ
- レバーを強く握る。ハンドルのグリップとの間に、指1〜2本くらいのすき間が残りますか? グリップにくっつくほど握れてしまうなら、調整が必要なサインです
- 前輪のブレーキゴムを、横からのぞく。表面の溝が消えていたら、交換どきです
- 車輪の縁を、指でなぞる。黒い汚れがつくなら、乾いた布で拭くだけで静かになることがあります
お店に頼むと、いくら?
サイクルスポットの工賃は全店同じです。ブレーキの音でよく頼まれる作業は、このくらいです。
| 作業(こんなときに) | 工賃(税込) |
|---|---|
| ブレーキゴム交換(一般) 前輪のキーキー。ゴムが減った・硬くなった |
2,200円〜 |
| ブレーキ調整 ゴムの当たり方のずれ。レバーを握っても効きが弱い |
880円 |
| ローラーグリス 後輪の真ん中から「グーン」。ローラーブレーキのグリス切れ |
660円 |
| ブレーキワイヤー交換 レバーが遠い・効きが弱い。ワイヤーの伸びやさび |
3,300円〜 |
「〜」が付いている作業は、使う部品で金額が変わります。どの作業も、始める前に金額をお伝えします。聞いてから、頼むかどうか決めてください。
ほかの作業の料金は工賃表にあります。
放っておくと、どうなる?
正直に言うと、気にしてほしいのは音より「ゴムの減り」のほうです。
ゴムが減りきると、中の金属の部分が車輪の縁を削りはじめます。そうなると、ゴムの交換(2,200円〜)では済まず、車輪ごと交換になることもあります。
それに、音が出ているときは、効きも落ちていることが多いんです。うるさいのは恥ずかしいですが、止まりにくいのは危ない。鳴り始めたら、早めに見せてください。
店で伝えてほしいこと
「なんか鳴ってて」で十分です。そのうえで、いつ・どこ・どんなときの3つが分かると、原因探しがぐっと早くなります。
- いつから鳴っているか
- どこから鳴っているか(前? 後ろ?)
- どんなときに鳴るか(雨の日だけ? 強く握ったときだけ?)
ブレーキ以外も気になるなら、一式点検(2,750円)で全体を見ることもできます。
鳴っている状態のまま、近くの店へどうぞ。ついでに空気も入れていってください。空気入れは無料です。
キーキー音は、自転車が「そろそろ見て」と言っている合図です。恥ずかしい音のうちに、聞いてあげてください。