「3段あるけど、ずっと真ん中のまま乗っている」。
変速の調子が悪くなると、だんだん触らなくなりますよね。思いどおりに変わらないギアと格闘するより、同じ段のままこいだほうが気が楽ですから。
でもそれは、坂や向かい風で楽をするための仕組みを、自分で封じているのと同じです。しかも、使わずにいることで、調子がさらに悪くなることもあります。
どっちの変速?
直し方の前に、あなたの自転車の変速が、どちらの仕組みかを見てください。後輪の右側をのぞくと分かります。
| 見分け方 | 内装(後輪の中)/外装(むき出し) |
|---|---|
| 見た目 | 内装:後輪の真ん中が太い筒。歯車は1枚だけ見える 外装:後輪の横に、大小の歯車が何枚も重なって見える |
| 多い車種 | 内装:ママチャリの3段、電動アシスト自転車 外装:スポーツ車、6段のママチャリ |
| 変え方 | 内装:止まったままでも変えられる 外装:ペダルを回しながらでないと変わらない |
| 多い不調 | 内装:ある段に入らない。こいだ瞬間に空回りする 外装:カチャカチャ鳴る。勝手に上下する |
内装は、ギアの切り替えを車輪の真ん中(ハブ)の中でやる仕組みです。外装は、変速機(ディレイラー)がチェーンを隣の歯車へかけ替える仕組みです。同じ「ギアが変わらない」でも、中で起きていることが違います。
なぜ変わらなくなる?
手元のレバー(またはグリップ)と後輪の変速の仕組みは、シフトワイヤーという細いワイヤーでつながっています。
レバーを動かすと、ワイヤーが引かれたり、ゆるんだりする。その引き具合で「いま何段目か」が決まります。
つまり変速は、ワイヤーの長さで段を覚えているようなものなんです。
ワイヤーは使ううちに少しずつ伸びますし、さびると動きが渋くなります。すると、レバーの目盛りと、実際に入っている段がずれていきます。
- 内装の場合。ある段に入りきらず、こいだ瞬間にペダルがスカッと空回りすることがあります。力を入れたとたんに足が空を切るので、立ちこぎや発進のときは転びかねません
- 外装の場合。チェーンが隣の歯車に移りきらず、カチャカチャ鳴ったり、段が勝手に上下したりします。自転車を右側に倒して、変速機やそれを留める金具が曲がったときも、同じような症状が出ます
変え方で変わる?
調子が悪いと思っていたら、変え方が仕組みに合っていなかった。そんなこともあります。
外装は、ペダルを回しているときしか変わりません。回っているチェーンが、隣の歯車へ乗り移ることで段が変わるからです。止まったままレバーを動かすと、こぎ出した瞬間にまとめてガチャンと動き、勝手に変わったように感じます。
内装は、止まったままでも変えられます。そのかわり、坂で強く踏みこんでいる最中は、中の歯車に力がかかっていて切り替わりにくい。変える瞬間だけ、足の力をふっとゆるめると入りやすくなります。
合言葉は、「外装は回しながら、内装は力を抜いて」。
これを試しても変わらない、段がずれる、というときは、ワイヤーや仕組みの側を見る番です。
修理代はいくら?
サイクルスポットの工賃は全店同じです。変速の不調でよく関係する作業は、このくらいです。
| 作業(こんなときに) | 工賃(税込) |
|---|---|
| 変速調整 段がずれる・入りにくい。ワイヤーの張りを合わせ直す |
880円 |
| シフトワイヤー交換(内装) 内装で、ワイヤーがさびた・伸びきった |
3,687円〜 |
| シフトワイヤー交換(外装) 外装で、ワイヤーがさびた・伸びきった |
4,400円〜 |
| シフトワイヤー交換(電動内装) 電動アシスト自転車の内装で、ワイヤーを替えるとき |
5,337円〜 |
ワイヤーがまだ使えるなら、まずは変速調整で張りを合わせ直します。さびて動かないときや、伸びきっているときは、ワイヤーの交換です。
変速機やレバーそのもの、後輪の中の仕組みが傷んでいるときは、工賃表に載っていない作業になります。見てから、作業の前に金額をお伝えします。
ほかの作業の料金は工賃表にあります。
ときどき全部の段へ
変速が直ったら、ふだんは真ん中でかまいません。ただ、ときどきは全部の段に入れてみてください。
ワイヤーを動かしておくと、中でさびついて固まるのを防ぎやすくなります。書き出しの「ずっと真ん中」が、実は不調の入り口にもなっているんです。
調子が戻らないときは、近くの店へ。「何段目で」「どんなときに」おかしいかを教えてもらえると、原因を絞りやすくなります。
坂の手前で、ためらわずに軽い段へ入れられる。そこまで戻して、はじめて変速がついている意味があります。