店の側から先に言ってしまうと、スタンドの交換は、それほど大がかりな作業ではありません。
ただ、ぐらつきの原因がスタンドにあるとは限らない。そこが、この相談のややこしいところです。
置く場所ひとつで倒れることもあれば、スタンドを留めているボルトがゆるんでいるだけのこともあります。替える前に、まず見分けてみましょう。
片足と両立、何が違う?
自転車のスタンドには、大きく分けて2つの形があります。
片足スタンド
車体の横に、脚が1本。車体を少し傾けて、スタンドの脚と前後の車輪の3点で立ちます。
軽くて、出し入れが楽です。そのかわり、傾いて立っているぶん、横から押されたり、地面が傾いていたりすると倒れやすくなります。
両立スタンド
後輪の下に、左右2本の脚。後輪を少し浮かせて、車体を傾けずに立てます。こちらは、2本の脚と前輪の3点です。
立てるのに少しコツがいります。そのかわり、傾かないぶん、荷物を載せても落ち着いて立っていてくれます。ママチャリ(シティサイクル)の多くは、こちらです。
子ども乗せはなぜ両立?
子どもを乗せる自転車には、両立スタンドがよく使われています。理由は、乗せ降ろしの瞬間にあります。
子どもを座席に乗せるとき、自転車には、高い位置に急に重さが加わります。片足スタンドのように傾いて立っている自転車だと、その重さで、傾いている側や反対側へ倒れかねません。
両立スタンドなら、車体は傾かずに立っています。ベルトを締めている間も、車体が落ち着いている。型によっては、スタンドを立てるとハンドルが動かないように固定される仕組みもあります。前に重さがかかったとき、ハンドルがくるっと回るのを防ぐためです。
それでも、子どもを乗せたまま自転車から離れないでください。乗せる前にスタンドを立て、降ろしてから外す。この順番は変えないでください。
前に乗せるか後ろに乗せるかで迷っている方は、子ども乗せの前と後ろの選び方もどうぞ。
倒れやすい置き方は?
スタンドがしっかりしていても、置き方しだいで倒れます。
- 坂道。片足スタンドなら、スタンドの側が低くなる向きに置きます。逆向きだと、車体が起き上がって、反対側へ倒れます。両立スタンドは、なるべく平らな場所を探してください
- 土や砂利の上。スタンドの脚が沈んで、車体が傾きます
- 前カゴに重い荷物を入れたまま。前が重くなってハンドルが回り、前から崩れるように倒れます
- 風の強い日の、ひらけた場所。特に片足スタンドは、横からの風に弱い形です
力まかせに立ててない?
両立スタンドが「立たない」とき、スタンドではなく、立て方が原因のこともあります。
ハンドルを持って、腕の力で後ろへ引いていませんか。これだと、自転車の重さを腕だけで持ち上げることになり、なかなか立ちません。
コツは、足で踏みこみ、手で引き上げることです。スタンドの足をかける所に片足をのせて、ぐいっと踏みこむ。同時に、サドルの後ろや荷台を持って、後ろ上へ引き上げます。持ち上げる力の多くは、踏みこむ足が受け持ってくれます。
外すときは、ハンドルを持って自転車を前へ押し出すと、スタンドが外れます。
ぐらつく原因は?
置き方も立て方も合っているのにぐらつくなら、スタンドや、その付け根を見てください。
- 付け根のボルトのゆるみ。スタンドを立てて、車体を左右に軽くゆすります。付け根がカタカタ動くなら、ゆるんでいます
- 脚の曲がり。倒れたときや、ぶつけたときに曲がります。両立なら、左右の脚の長さがそろって見えるか
- 脚の先のゴムの減り。ゴムが減ったり取れたりすると、脚が短くなって傾きます
- ばねの弱り。スタンドを上げた状態で、手で軽く下へ引いてみます。パチンと元に戻らないなら、ばねが弱っています
ばねの弱ったスタンドは、見落とさないでください。走っている途中で下がってきて、地面に当たることがあります。段差や曲がり角で引っかかると、転ぶもとになります。
交換はいくら?
サイクルスポットの工賃は全店同じです。スタンドの工賃は、次のとおりです。
| 作業(こんなときに) | 工賃(税込) |
|---|---|
| スタンド取付・交換 脚が曲がった・ばねが弱った・形を替えたい |
990円 |
子ども乗せの電動アシスト自転車などは、車種に合ったスタンドが要ることがあります。見てから、作業の前に金額をお伝えします。
ほかの作業の料金は工賃表にあります。
手を離す前にひとゆすり
止めたら、手を離す前に一度だけ、車体を軽くゆすってみてください。
ぐらっとするなら、置く場所か、スタンドのどちらかに理由があります。場所を変えても同じなら、スタンドの番です。
スタンドの不調なら、押して近くの店へどうぞ。
ガシャンの音は、止めた場所から離れたあとに鳴るものです。ひとゆすりは、そこにいる間にしかできません。