たとえば、買って2週間ほどたった朝。出かける前にタイヤを指で押してみたら、買った日よりやわらかい。
パンクかと思って、どきっとしますよね。
でも、クロスバイクでは、これはめずらしいことではありません。故障というより、細いタイヤの性格なんです。
どうして空気が減るの?
クロスバイクのタイヤは、ママチャリより細く、中にかなり高い圧で空気を入れて走ります。この2つが、空気の減りを目立たせます。
まず、細いタイヤは、中に入っている空気の量が少ない。コップとバケツを思い浮かべてください。大さじ1杯の水をすくっても、バケツならほとんど変わりませんが、コップでは目に見えて減ります。同じだけ空気が抜けても、細いタイヤのほうが、圧の下がり方が大きいんです。
そして、高い圧で入れているぶん、空気が外へ出ようとする力も強くなります。
だから、乗っていなくても、クロスバイクの空気は早めに減っていきます。パンクを疑う前に、まず入れ直してみてください。
空気は、どのくらいの頻度?
目安は、週に1回です。
入れる強さは、タイヤの横に書いてあります。「この範囲で入れてください」という数字が、小さく印刷されています。その範囲に入るように入れます。
ここでの落とし穴は、指で押して確かめようとすることです。ママチャリなら、押した感じでだいたい分かります。でも、高い圧で入れるクロスバイクのタイヤは、空気が減っていても、指ではかたく感じてしまいます。
だから、クロスバイクにはメーター付きの空気入れが向いています。数字で見れば、減っているかどうかが一目で分かります。
仏式バルブって何?
空気を入れようとして、戸惑いやすいのがここです。クロスバイクの多くは、空気の入れ口(バルブ)が「仏式」という形をしています。ママチャリの「英式」とは形が違うので、英式用の口金のままでは、はまりません。
仏式は、先に小さなネジが付いています。入れ方はこうです。
- キャップを外す
- 先の小さなネジを、止まるところまで回してゆるめる
- ネジの先を一度軽く押して、空気を「プシュッ」と少し出す(固まった弁をほぐすため)
- 仏式に合う口金を奥まで差しこんで、空気を入れる
- 入れ終わったら、ネジを締めて、キャップを戻す
ネジを締め忘れると、何かに当たった拍子に空気が漏れることがあります。最後のひと回しまでが、空気入れです。
空気入れは無料です。
チェーンは何をすれば?
クロスバイクのチェーンは、ママチャリのようにカバーで覆われていません。むき出しなので、砂やほこり、雨の水をそのまま浴びます。
手入れは、まず乾いた布で汚れをふき取り、そのあとでチェーン用の油を少しずつ。汚れの上から油を足すと、砂まじりの油がチェーンを削ってしまいます。
ここで、気をつけたい思い込みがひとつ。家にある「さび止め」「潤滑」と書かれた万能のスプレーは、チェーン用の油とは別物です。吹きかけると、チェーンに残っていた油まで流してしまうことがあります。
雨の中を走ったあとは、水けをふき取ってから油を。走っていて「シャリシャリ」と乾いた音がしてきたら、油が切れてきたサインです。
ブレーキはどこを見る?
クロスバイクのブレーキには、大きく2つの形があります。車輪の縁(リム)をゴムではさむ形と、車輪の真ん中にある円い板(ディスク)をはさむ形です。
縁をはさむ形なら、レバーを握って、ゴムがどこに当たっているかを横から見てください。正しいのは、縁の平らなところに当たっている状態です。ずれてタイヤに当たっていると、タイヤの横をこすって傷めてしまいます。
円い板をはさむ形なら、気をつけたいのは油です。板に油がつくと、ブレーキが効きにくくなります。チェーンに油をさすとき、スプレーの霧が板にかからないようにしてください。
どちらの形でも、レバーを握りこんだときにハンドルにくっつきそうなら、調整どきです。
お店に任せるのは?
空気・チェーン・ブレーキの見た目までは、自分で見られます。そこから先の調整は、店に任せてください。サイクルスポットの工賃は全店同じです。
| 作業(こんなときに) | 工賃(税込) |
|---|---|
| 油さし チェーンや動くところに、まとめて油をさしてほしい |
330円 |
| ブレーキ調整 ゴムの当たりがずれた・レバーを握りこめてしまう |
880円 |
| 変速調整 ギアがうまく切り替わらない・カチカチ鳴る |
880円 |
どの作業も、始める前に金額をお伝えします。
車輪のゆがみ取りや、ペダルの回る軸のまわりなど、スポーツ車ならではの整備は、内容により異なるため、店頭で金額をお伝えします。
買った日の軽さを保つ
クロスバイクは、ママチャリより少しだけ手のかかる乗り物です。
そのかわり、空気がきちんと入って、チェーンに油がなじんでいると、こぎ出しの軽さが違います。買った日の走りは、手入れで保てます。
週に一度、空気入れのメーターを見る。その小さな習慣が、買った日の軽さを守ります。