荷物が増えたわけでも、向かい風の日でもない。それなのに重い日が続くなら、体力を疑う前に、自転車を疑ってみてください。
こぐのが重いとき、自転車の中では、こいだ力がどこかで逃げているか、どこかで止められています。
よくあるのは、次の4か所です。
力はどこで逃げる?
- タイヤの空気が少ない。空気が足りないタイヤは、地面の上でつぶれ、転がるたびに形を変えます。その変形に、こいだ力が使われてしまう。空気の抜けかけたボールが弾まないのと同じです
- ブレーキがこすれている。レバーから手を離しても、ブレーキが車輪に軽く当たったまま戻らない状態です。弱いブレーキを、ずっとかけながら走っているのと変わりません
- チェーンの油が切れている。チェーンは小さな部品がたくさんつながってできていて、油が切れるとつなぎ目がこすれ、回りが重くなります。さびると、なおさらです
- タイヤが減っている。減ったタイヤは空気を保ちにくく、パンクもしやすくなります。結果として、つぶれたタイヤで走る日が増えていきます
ちなみに、チェーンは、たるんでいても張りすぎていても調子をくずします。張りすぎていると、回るたびに締めつけられて、ペダルが重くなるんです。
どこから確かめる?
お金のかからない順に並べました。上から試してください。
- タイヤを親指で強く押す。ぐにゃっとへこむなら、空気が足りません。空気を入れて、少し走ってみてください。これで軽くなれば、原因はほぼ空気です。パンクしていなくても、空気は少しずつ抜けていくものです(空気入れの基礎)
- 車輪を浮かせて、手で回す。前輪は、ハンドルの側を持ち上げて。後輪は、両立スタンド(後輪の下に脚が2本あるもの)なら立てるだけで浮きます。片足スタンドなら、だれかに荷台を持ち上げてもらってください。勢いよく回したのに何回転もしないうちに止まる、シャーッとこする音がする。それなら、ブレーキや泥よけのどこかが当たっています
- チェーンを見て、聞く。表面が乾いて白っぽい、茶色くさびている、こぐとキュルキュル鳴る。どれかがあれば油切れです
- タイヤの表面を見る。溝が消えている、ひびが入っている、中の布のような層がのぞいている。そうなっていたら交換どきです
最初の空気だけで直ることも、めずらしくありません。
油をかければ軽い?
重いなら、とりあえず全部に油を。その気持ちは分かります。
でも、こぐ重さに関係する油は、チェーンにさすものです。ブレーキのまわりにかかると、ブレーキが効かなくなります。タイヤについたら、地面の上ですべります。
チェーンでも、さしすぎは考えものです。余った油が砂やほこりを呼んで、かえって黒く汚れ、回りを重くしてしまいます。さしたあとは、布で表面を軽くふき取ってください。
店だといくら?
先に、お金のかからない話から。
空気を入れるだけで済むなら、修理代はかかりません。空気入れは無料です。重さの原因が空気だけなら、それで終わりです。
そのほかでよく関係する作業は、このくらいです。サイクルスポットの工賃は全店同じです。
| 作業(こんなときに) | 工賃(税込) |
|---|---|
| 油さし チェーンが乾いている・キュルキュル鳴る |
330円 |
| ブレーキ調整 手を離しても、ブレーキが車輪に当たったまま |
880円 |
| チェーン調整 チェーンがたるんでいる・張りすぎている |
990円 |
| 一式点検 原因が1つに絞れない。まとめて見てほしい |
2,750円 |
タイヤの交換は、前輪か後輪かで金額が変わります。工賃表に載っているので、先に見ておけます。
電動アシスト自転車で、急にこぐのが重くなったなら、バッテリーやアシストの側かもしれません。バッテリーの寿命の記事も参考にしてください。
あの軽さを思い出して
重さは、少しずつ増えていきます。毎日乗っていると、昨日との違いには気づけません。
確かめても分からなければ、近くの店へ。空気を入れに寄るついでに、「前より重い気がする」とひとこと添えてもらえれば、それが手がかりになります。
体力が落ちたと嘆くのは、空気を入れてからでも遅くありません。