レインカバーの取扱説明書を開くと、意外なことに気づきます。注意書きの最初のほうに並んでいるのは、雨のことではありません。風と、暑さのことです。
カバーは、付ければそれで終わりの道具ではないんです。
付けたほうがいい日と、外したほうがいい日。それが分かると、ずっと使いやすくなります。
そもそも要るの?
雨の日、運転する人は傘を差せません。東京都では、傘を差して自転車に乗ることが決まりで禁じられています。
大人はレインコートで何とかなっても、座席の子どもは、じっと座ったまま雨を受けることになります。
カバーがあれば、雨のほかに、冷たい向かい風や、車輪がはね上げる泥も防げます。冬の朝の風よけとして使う人もいます。
ただ、完全に水を通さないわけではありません。縫い目や空気の通る穴から、少し入ることがあります。着いたときにふけるよう、タオルが1枚あると助かります。
前と後ろで違う?
違います。前用と後ろ用は、形がまったく別物です。
前用は、ハンドルのそばの座席を包むので、ハンドルに留めて使うものがあります。運転する人の目の前にくるため、付けると前の足もとが見えにくくなります。段差や落ちている物に気づくのが遅れやすいので、いつもよりゆっくり走ってください。
前用の説明書には、子どもの身長だけでなく、運転する人の身長の目安が書いてあるものもあります。カバー越しに前が見えるかどうかに関わるからです。
後ろ用は、座席の頭の部分(ヘッドレスト)にかぶせて、下まで包む形が多くなります。高さがあるぶん、横からの風を受けやすくなります。
どの座席にも合う?
ここは勘違いしやすいところです。
カバーは、座席の形に合わせて作られています。ヘッドレストの形や座席の幅が違えば、同じ「後ろ用」でも合いません。
カバーには、決まった座席のために作られたものと、いくつかの座席に合わせられるものがあります。どちらの場合も、自分の座席が「対応する座席」に入っているかを確かめてから選んでください。
子どもの背の高さも関係します。カバーごとに子どもの身長の目安があり、頭が天井に当たるようになったら、そのカバーは卒業です。
夏も付けたまま?
晴れた暑い日は、外すかたたんでください。
透明な窓はビニールでできています。日が当たると、中は温室のように熱がこもります。説明書でも、炎天下では使わないこと、脱水や熱中症のおそれがあることが書かれています。
付けっぱなしにしやすいのは、雨が上がった蒸し暑い日です。雨がやんだら窓や空気穴を開けて、こまめに子どもの様子を見てください。
風の強い日は?
強い風の日は、カバーを使わないでください。走っているときも、止めているときもです。
ふくらんだカバーは、船の帆と同じように風を受けます。子どもの重さで重心が高くなっている自転車は、横から押されるとふらつきやすく、止めてあるだけでも倒れることがあります。
雨と強い風が重なる日は、カバーで乗り切ろうとするより、自転車で出かけないほうがいい日かもしれません。
付けたら、どこを見る?
付けたあと、走り出す前にここを見てください。
付けたあとのセルフチェック
- ファスナー・ホック・ベルトを全部留めたか。外れたすそが車輪に巻き込まれると、転ぶもとになります
- ハンドルを左右いっぱいに切る。前用のカバーが引っかからないか確かめます
- ライトと反射材が隠れていないか。雨の日は、周りから見えることが大事です
- 子どもの顔が窓から見えるか。走る前に、座席のベルトを締めたかも確かめます
- 急いで出す方法を、一度試す。転んだときなどに、どこを開ければ子どもを出せるか、説明書で見ておきます
- 破れやほつれがないか。傷んだカバーは、走っているうちに外れることがあります
それから、カバーの入っていた袋は、子どもの手の届かないところにしまってください。かぶって遊ぶと、息ができなくなるおそれがあります。
付けてもらうといくら?
サイクルスポットの工賃は全店同じです。
| 作業(こんなときに) | 工賃(税込) |
|---|---|
| チャイルドシートレインカバー取付 いま付いている座席に、カバーを付ける |
1,980円 |
表は取り付けの工賃で、カバーの代金は別です。作業の前に金額をお伝えします。
座席の形が分からないときは、カバーを買う前に、自転車ごと見せてください。合うかどうかは、座席を見れば分かります。
座席そのものをこれから付ける方は、今の自転車に子ども乗せは後付けできる?もどうぞ。
雨の日の屋根、晴れたら畳む
カバーは、座席の上の小さな屋根です。
雨の朝には付けて、風の強い日と暑い日には畳む。天気を見て出し入れできれば、梅雨も冬も、送り迎えはずいぶん楽になります。