店の側から先に打ち明けておくと、この記事には「◯円を超えたら買い替え」という線は出てきません。
引けないんです。同じ金額でも、あと5年乗る自転車と、来年の春に手放す自転車とでは、意味がまるで違うからです。
そのかわり、決めるときの順番ならあります。見るのは、フレーム・合計・使い方の3つ。この順に考えると、迷いがほどけていきます。
まず、骨組みは無事?
フレームは、自転車の骨組みです。ハンドルの下からサドル、後輪までをつないでいる、パイプの部分のことです。
タイヤやブレーキゴム、チェーンは、減ったら替える前提で作られた部品です。消しゴムと同じで、使えば減るものなんです。
でもフレームは、替える前提で作られていません。
だから、最初に見るのはここです。フレームにひびや、さびで開いた穴、ぶつけたあとの曲がりがあるなら、ほかの部品をいくら新しくしても土台は弱いまま。そのときは、買い替えを考える理由になります。
フレームで見てほしいところ
- パイプのつなぎ目。髪の毛のような細い線(ひび)が入っていないか
- 塗装のふくらみ。塗装が浮いて、下から茶色いさびが出ていないか
- 正面から見たゆがみ。前輪とハンドルが、ねじれずに一直線に並んでいるか。転んだりぶつけたりしたあとは特に
- 今までにない音。こぐたびに「ミシッ」「パキッ」と鳴らないか
自分で見ても分からないときは、一式点検(2,750円)で全体を見ることもできます。部品の交換が要るところが見つかったら、その分の金額は別にお伝えします。
直すと、合計いくら?
フレームが無事なら、次は部品のお金です。
一か所ずつ見ると、どれもそこまで高くはありません。ところが、長く乗った自転車は、傷みが一度にまとめて来ることが多いんです。タイヤがすり減るころには、ブレーキゴムもチェーンも、同じ道のりを一緒に走ってきているからです。
たとえば、前後のタイヤとブレーキゴム、チェーンをまとめて替えると、こうなります。
| 作業 | 工賃(税込) |
|---|---|
| タイヤ&チューブ交換(前輪) | 6,600円〜 |
| タイヤ&チューブ交換(後輪) | 7,700円〜 |
| ブレーキゴム交換(一般) | 2,200円〜 |
| チェーン交換 | 6,050円〜 |
| 4つの合計 | 22,550円〜 |
「〜」が付いているのは、使う部品で金額が変わる作業です。だから合計も「〜」から。工賃は全店同じで、実際の金額は自転車を見てから、作業の前にお伝えします。
この合計を、新しい自転車の値段と並べてみてください。並べる相手は、今の自転車と同じくらいの使い方ができる1台です。
ほかの作業の料金は工賃表にあります。
この先、どう乗る?
金額が並んだら、最後に使い方を考えます。同じ合計でも、ここで答えが分かれます。
- あと何年乗るか。来年引っ越す、子どもが大きくなる。手放す日が近いなら、止まる・走るに関わるところだけ直して乗り切る手もあります
- 乗り方が変わるか。通勤や通学で毎日乗るようになるなら、その距離に合っているかも考えどきです
- 今、何に困っているか。坂がきつい、荷物が重い。修理では変わらない不満なら、直しても残ります
3つ目は、見落とされやすいところです。
修理で戻せるのは、買ったときの状態までです。坂道が楽になったり、子どもを乗せられるようになったりはしません。不満の中身が「壊れていること」なのか「合っていないこと」なのかを、分けて考えてみてください。
子どもの自転車なら、体に合っているかも見どころです(身長から選ぶ記事)。
「この前直したのに」
迷ったときに、よく頭に浮かぶ気持ちです。去年タイヤを替えたばかりなのに、もったいない。
でも、もう払ったお金は、どちらを選んでも戻ってきません。比べるのは「これから払うお金」と「これから乗る年数」の2つだけ。前の修理代は、いったん脇に置いてみてください。
反対に、「古いから、もう替えどき」も、年数だけでは決められません。フレームが無事なら、部品を替えてまだ乗れる自転車は、案外あるものです。
買い替えると決めたら
古い自転車の行き先も、あわせて考えておきます。
お店での引き取りの料金や、手放す前に済ませたい防犯登録の抹消は、自転車の処分の記事にまとめています。
決めるのは金額を見てから
どちらにするかを、店に来る前に決めておく必要はありません。
自転車を持ってきて、どこを直すといくらかかるかを聞く。そこで初めて、新しい1台と並べて比べられます。
行き先は、通いやすい近くの店へ。
「直すか迷っている」。その一言のまま、持ってきて構いません。