読みながら、ひとつ試してみてください。
前輪を両ひざではさんで、ハンドルだけを左右にひねります。
ハンドルだけが動いて、タイヤがついてこない。それなら、ハンドルと前輪をつなぐところが、ゆるんでいるか、ずれています。
なぜ向きがずれる?
ハンドルは、首のような部品(ステム)で、前輪をはさむ二股の部品(フォーク)の軸に留められています。
ここは、溶接でくっついているわけではありません。ボルトの締めつけで留まっているだけなんです。
だから、転んだときや、ハンドルを何かにぶつけたときのように強い力がかかると、軸の上でハンドルの首が回ってしまうことがあります。ハンドルは斜め、タイヤは前。向きのずれは、こうして起きます。
もっと強い力がかかると、ハンドルの棒や、前輪をはさむ部品そのものが曲がります。
どこがゆるんでいる?
ぐらつき方で、ゆるんでいる場所の見当がつきます。
転んだあとに見るところ
- 前輪を両ひざではさみ、ハンドルをひねる。ハンドルだけ回るなら、ハンドルの首のゆるみか、ずれです
- ハンドルを握って、上から下へ押す。棒がお辞儀するように回るなら、棒を留めるボルトがゆるんでいます
- 前のブレーキを握ったまま、車体を前後にゆする。ゴトゴトと手に響くなら、ハンドルを回すための軸受け(車体の前の筒の中)がゆるんでいます
- 自転車の前に立って、上から見下ろす。ハンドルと前輪がT字になっていない、ハンドルの左右の高さが違う。それなら、ずれか曲がりです
- 前輪を浮かせて回す。左右にぶれる、どこかに当たる。車輪や、前輪をはさむ部品が曲がっているかもしれません
ブレーキのレバーやベルの向きが変わっていないか、ライトが割れていないかも、ついでに見ておいてください。
斜めのまま乗ると?
ハンドルが斜めのまま前へ進もうとすると、腕と体をひねったまま、バランスを取り続けることになります。
疲れるうえに、とっさによけたいとき、思った方向へ曲がれません。
ゆるんだハンドルは、強く握った瞬間に、さらに回ることもあります。ブレーキをかけながら曲がるときや、段差の手前がこわいところです。
転んだ直後で、体もどこか痛むなら、今日は乗らずに押して帰ってください。
自分で締めていい?
正直に言うと、ゆるみだけなら、六角レンチ1本で止まることもあります。
それでも、転んだあとは店で見せてほしい理由があります。
- 曲がりが隠れる。向きを合わせて締め直すと、見た目は元どおりになります。でも、ずれた原因が前輪をはさむ部品の曲がりだったら、曲がったまま走ることになります。この曲がりは、見ただけでは分かりにくいものです
- 締め加減がある。ボルトには、ちょうどいい締め加減があります。強すぎると部品を傷め、弱すぎると走っている途中でまた回ります
- 締める順番がある。スポーツ車のように、ハンドルの軸受けの調整とひと続きになっている型では、順番をまちがえるとガタが残ります
それから、曲がった棒を力で曲げ戻すのは、やめておいてください。一度曲がった金属は、見た目が戻っても、元の強さには戻りません。
見てもらうといくら?
工賃表には、ハンドルの向き合わせや締め直しだけの行はありません。どこがずれているか、曲がっているかを見てから、作業の前に金額をお伝えします。
転んだあとは、ハンドルのほかにも傷んでいることがあります。ブレーキ、前輪、ライト、カゴ。まとめて見るなら、一式点検があります。サイクルスポットの工賃は全店同じです。
| 作業(こんなときに) | 工賃(税込) |
|---|---|
| 一式点検 転んだあと、ハンドル・ブレーキ・車輪などを全体で見る |
2,750円 |
部品の交換が要るところが見つかったら、その分の金額は別にお伝えします。ほかの作業の料金は工賃表にあります。
転んだ日に見せて
転んだ日は、体のことで頭がいっぱいになります。見た目が無事なら、自転車は後回しになりがちです。
でも、ハンドルのずれは、次に転ぶきっかけにもなります。
近くの店へ、押して持ってきてください。いつ、どんなふうに転んだか、何にぶつけたかを教えてもらえると、見るところを絞れます。
体の痛みが引いたら、次は自転車の番です。