通勤や休日に、もう少し軽く走れる自転車がほしい。そう思って調べ始めると、まず出てくるのが「クロスバイク」という言葉です。
ところが店に並ぶクロスバイクは、フレームの形もタイヤの太さもまちまち。値札を見比べても、何が違うのかはなかなか分かりません。
どれも同じに見える。はじめはそれで当たり前です。
この特集では、街乗りからスポーツバイクを始める人に向けて、サイクルスポットのスタッフがタイプごとにモデルを選びました。読み終わるころには、自分が見るべき棚が分かるはずです。
「クロスバイク」って何?
スポーツバイクに興味を持つと、たいてい最初に耳にするのがクロスバイクです。名前の由来は「クロスオーバー」。マウンテンバイクとロードバイクを掛け合わせた自転車、という意味で、いまは横一文字のハンドルを付けた街乗り向けスポーツバイクをまとめてこう呼んでいます。
ひとくくりの呼び名なので、中身には幅があります。モデルごとに得意・不得意はありますが、街を走るぶんには、気に入った形や色で選んでもまったく問題ありません。
まずは定番の3台
迷ったら、ここから見てください。どれもアルミのフレームに、少し太めのタイヤと前3段×後ろ8段の変速を組み合わせた、クロスバイクの王道といえる3台です。
10月19日(月)時点の在庫です。数に限りがあり、お取り置き中・ご注文済みの自転車を含む場合があります。ご来店前に、行かれる店舗のページにある電話からご確認ください。掲載情報について
GIANT ESCAPE R3
メーカー自身が「20年以上の歴史を持つ、日本を代表するクロスバイク」と書く一台です。
年ごとに手が入り続けていて、いまのモデルは乗り心地を考えた32Cのタイヤを履いています。サイズはXSからLまでの4つ。背の高い人向けのLは、2026年モデルで加わりました。
KhodaaBloom RAIL ST
コーダーブルームは、日本のホダカが手がけるブランドです。RAIL STのフレームは「EAST-L」というアルミのフレームで、パイプの厚みを場所ごとに変えて軽さを出しています。
うれしいのは、キックスタンドが最初から付いていること。スポーツバイクには付いていないことが多いのですが、街乗りでは欲しくなる部品です。
MERIDA CROSSWAY 100-R
MERIDAが独自のTFSという製法で作ったアルミフレームに、整備のしやすいVブレーキ(リムを左右から挟んで止めるブレーキ)を組み合わせています。
3台を並べると、フレームの形に個性が出ているのがこの一台です。
乗り降りが楽な形
「足を高く上げてまたぐのがつらそう」「そんなにスピードは出さないから、前かがみにならない方がいい」。どちらもよく聞く声で、もっともです。フレームの形しだいで、この2つはかなり変わります。
10月19日(月)時点の在庫です。数に限りがあり、お取り置き中・ご注文済みの自転車を含む場合があります。ご来店前に、行かれる店舗のページにある電話からご確認ください。掲載情報について
LOUIS GARNEAU CITYROAM8.0
フレームの真ん中のパイプを低くして、足を高く上げなくても乗り降りできるようにした一台です。前後の泥除け、サイドスタンド、LEDライトが最初から付いているので、買ったその日から普段使いに入れます。
RITEWAY GLACIER
分類としては、タイヤの小さい「ミニベロ(小径車)」です。乗り降りしやすいフレームに、持ち手になるパイプが付いていて、駐輪場で車体を動かすときに握れます。
タイヤはBMX用の太いもの。空気がたくさん入るぶん衝撃をやわらげます。メーカーによると、空気を入れる頻度も一般的な28Cのタイヤの約半分です。ブレーキは雨の日も効きが変わりにくいディスクブレーキ。小回りのきく車体は、人や自転車の多い街なかで頼りになります。
細身の鉄のフレーム
ここまでの車体は、どれもアルミのフレームでした。一方で街なかでは、パイプの細い、すらりとした自転車も見かけます。その多くはクロモリ(クロムモリブデン鋼)、つまり鉄の仲間のフレームです。
アルミに比べるとやや重く、錆にも気を配る必要があります。そのかわり丈夫で、道路の細かな振動をいなしてくれる、やわらかい乗り味が持ち味です。
10月19日(月)時点の在庫です。数に限りがあり、お取り置き中・ご注文済みの自転車を含む場合があります。ご来店前に、行かれる店舗のページにある電話からご確認ください。掲載情報について
MARIN NICASIO SE
サンフランシスコに近いマリン郡の地名を車名に使う、カリフォルニアのMARIN。NICASIO SEは、そのMARINがツーリングバイクから着想を得て作ったストリートバイクです。
細いクロモリのフレームに、650Bという少し小さめの車輪と太いタイヤ。フレームとタイヤの両方で揺れを吸ってくれるので、乗り心地はとてもやわらかです。
車輪が小さいぶん、街なかの小回りも軽快です。
FUJI BALLAD
以前の記事では、同じくクロモリでクラシックな細身のラレー Radford Traditional を挙げていました。いまは取り扱いが無いので、近い一台としてFUJIのBALLADを選んでいます。
メーカーいわく「古き良き時代のロードバイクを想わせる」たたずまいで、フレームもフォークもクロモリ。タイヤは細めの28Cです。
ハンドルは横一文字のフラットバーなので、前かがみになりすぎずに街を走れます。
太めのタイヤで遠くへ
車に、乗用車とSUVがあるように、自転車にも「街プラスα」ができるタイプがあります。目印はクロスバイクより太いタイヤです。
太いタイヤは「進まない」と思われがちですが、空気がたくさん入るので乗り心地がやわらかく、段差や荒れた路面でも慌てずに済みます。砂利道を通る人や、荷物を積んで出かけたい人に向くタイプです。
10月19日(月)時点の在庫です。数に限りがあり、お取り置き中・ご注文済みの自転車を含む場合があります。ご来店前に、行かれる店舗のページにある電話からご確認ください。掲載情報について
FUJI ALTERR
以前の記事で挙げたFUJIのTALAWAHは、いまは取り扱いが無いため、同じFUJIで考え方の近いALTERRに入れ替えました。メーカーの言葉では「全地形を楽しむために生まれたネオクラシックATB」。クロモリのフレームに26×1.95の太いタイヤを履き、フォークとシートステー(後輪に向かうフレームの細いパイプ)にキャリアを付けるための穴が用意されています。前後に荷台を付けて、のんびり遠出する使い方ができます。
GIOS ARIES
イタリア・トリノで生まれたブランド、GIOSのクロスバイクです。以前の記事では、太めのタイヤを履いたクロスバイクとして挙げました。タイヤの太さやブレーキの種類は年式で変わることがあるので、商品ページの仕様で確かめてください。
ロードとMTBという手も
スポーツバイクには、競技から生まれたロードバイクとマウンテンバイク(MTB)もあります。ロードバイクは長い距離を走るための曲がったハンドル(ドロップハンドル)、MTBは山道の凸凹に合わせたサスペンションが特徴。どちらにも、街で使いやすいモデルがあります。
10月19日(月)時点の在庫です。数に限りがあり、お取り置き中・ご注文済みの自転車を含む場合があります。ご来店前に、行かれる店舗のページにある電話からご確認ください。掲載情報について
MERIDA RIDE 80
以前の記事ではNESTOのFLADを挙げていましたが、いまは取り扱いが無いため、入門のロードバイクとしてMERIDAのRIDE 80を選びました。メーカーは「ロングライドやヒルクライムで活躍するエントリーロードバイク」と紹介しています。
休日に少し遠くまで行きたい人には、ドロップハンドルが向いています。握る場所をいくつも選べるので、手や肩の姿勢を変えながら走れて、長く乗っても疲れがたまりにくくなります。
GT AGGRESSOR
GTは1972年に南カリフォルニアで、BMXのレース用フレームから始まったブランドです。
AGGRESSORのフレームには、GTの象徴になった「トリプルトライアングル」という三角を重ねた形が使われていて、ひと目でGTと分かります。
以前の記事で挙げたExpert 27.5は、前輪にサスペンションの付いたモデルです。名前にRigidが付くSport Rigid 27.5は、前のサスペンションを持たないぶん車体がすっきりしています。
どちらも27.5インチの車輪に、2インチを超える太いタイヤ。荒れた道を多く走る人の頼りになります。
たたんで運ぶ
電車や車で遠くまで移動して、駅から先を自転車で走る。レンタサイクルが無い場所でもこれができるのが、折りたたみ自転車です。持ち運ぶなら、何より軽さが大事になります。
10月19日(月)時点の在庫です。数に限りがあり、お取り置き中・ご注文済みの自転車を含む場合があります。ご来店前に、行かれる店舗のページにある電話からご確認ください。掲載情報について
DAHON K1
14インチの小さな車輪で、重さは7.8kg。変速の無いシンプルな作りです。
小さな車輪は走りの面で少し不利な場面もありますが、短めの距離で坂の少ない道なら、車体の軽さもあって軽快に移動できます。
RENAULT PLATINUM LIGHT8
車輪は16インチと、K1より一回り大きいサイズ。7段の変速が付いているので、上り下りのある道でもギアを変えて走れます。メーカーの公表する重さは約8.8kgです。
DAHON Hit
以前の記事には無かった一台ですが、置いている店が多いので加えました。車輪は20インチ、変速は6段。重さは12.2kgと上の2台より重くなるぶん、車輪が大きく、走りに余裕があります。
運ぶ時間と走る時間、長いのはどちらか。それで決めると迷いません。
サイズは店で合わせる
最初の「どれも同じに見える」問題は、使い方で分けるとかなり整理できます。
| タイプ | こんな使い方に |
|---|---|
| 定番 | 通勤・通学、はじめの一台 |
| 乗り降り楽 | 買い物、近所の移動 |
| クロモリ | やわらかい乗り心地、細身の見た目 |
| 太いタイヤ | 砂利道、荷物を積んだ遠出 |
| ロード | 休日に遠くまで走る |
| MTB | 段差や荒れた道が多い |
| 折りたたみ | 電車や車と組み合わせる |
ここで挙げたのは、スポーツバイクのほんの一部です。それでもタイプが決まれば、見るべき棚は絞れます。
残るのはサイズです。
スポーツバイクの多くは、服と同じようにフレームのサイズが分かれていて、同じ「M」でもブランドによって大きさが違います。店内で車体にまたがって、サイズや姿勢(足が届くか・ハンドルの位置)を確かめられます。
どこを走るか、何を積むか。それを店で話してもらえれば、タイプとサイズを一緒に絞り込めます。