
フロントシングル化したいと思ったらまずご一読を!おおまかな流れをご紹介。
三島店より失礼いたします。
”フロントシングル”に関する相談や問い合わせが多くなってきましたので、
基本的な流れをまとめてみました。
まずフロントシングルのメリットは、
①チェーントラブルの激減!
②フロントの変速機・シフター(ワイヤー)がいらなくなってスッキリ!
③(わずかですが)軽量化!
などがあげられますね。
デメリットはリア(後)の変速だけになるので、
ギアの幅(一番軽いギアと重いギアの差)が狭くなってしまったり、
(幅広いギアをカバーしようとすると)一段ずつの差が大きくなったりします。
ただし、最近では11速や12速のモデルも出てきて、軽いギアも取り付けられるように
なってきましたし、“後ろの変速だけあれば充分”という人も多く、
オフロードを走っている人達はもちろんの事、街乗りの人達の間でも
チェーントラブルの回避はもちろん、カラーコーディネイトも兼ねて
フロントシングル化が”ブーム”になっています。
ただし、フロントシングル用のチェーンリングを”ポン付け”して終わりというわけにはいかない場合も
ありますので、次にあげるチェックポイントを押さえておきましょう!
①フロントのチェーンリングは「ナローワイド」に変える
「ナローワイド」がフロントシングル化するときのキモになります。
メーカーによって「X-SYNC」・「ダイナミック・チェーン・エンゲージメント」など呼び名は
変わりますが、基本的な考え方は共通です。
歯の形状を特殊な形にすることで、変速ができなくなる代わりに、”がっちりとチェーンを噛む”ことを
可能にしています。そのおかげでチェーンが暴れても外れにくくなってくれるというわけです。
注)単純にフロントダブル・フロントトリプルのチェーンリングを間引いて1枚にしても、
チェーンが暴れた時に外れる現象は抑えられません。
そこでチェーンリングをナローワイドに変えようと思っても、
この「ナローワイド仕様のチェーンリング」を取り付ける相手の
クランクの規格がバラバラなので、混乱を招いております。
②使用するクランクの規格を調べましょう!
使用するクランクによって、取り付け方法や、取り付け位置のサイズ(PCD)が異なっております。
基本的には、クランクにあった「ナローワイドチェーンリング」を探す所からはじまるかと思いますが、
お気に入りの「ナローワイドチェーンリング」が使えるクランクに変えるという選択肢も。
ただ”クランクも変える”となるとコストがかかっちゃいますよね。
(その場合、BBもクランクに合わせてあげる必要もあります。)
※「フロントシングル用のクランク」というものもちゃんと販売されておりますし、
「ブースト規格」に対応したクランクも販売されています。
※トリプルの場合でもアウターとミドル(センター)を1つのボルトで固定している場合は、
アウターとミドルは共通のPCDとなります。
※PCDをBCDと表記している場合もあります。
(※上の画像だと赤い円が少しずれていました。。。あくまでボルトを通る円の直径とご理解ください。)
<ご参考までに>
近年、流通している規格だけでも
取り付け方法:
◆4アーム(ボルト4つで固定)(最近の主流)
◆5アーム(ボルト5つで固定)
◆(メーカーオリジナルの)ダイレクトマウント方式
PCD:
◇96mm
◇104mm
◇110mm
◇130mm
のいずれかが多いとは思いますが、他にも
58mm・64mm・94mm・112mm・120mmなど多数のPCDが存在しています。
とにかく色々な規格があって、同メーカーでもモデル・製造年によって異なる場合も多いので、
ご自身のクランクをチェック(実測)しておきましょう。
(余談)
チェーンリングを交換しようとした時に、
同じ110mmでも互換してない(カンパとシマノ)とか
シマノの4アームには加工がしてあって、同じ4アームのチェーンリングでも取り付けできないとか、
チェーンリングの交換に関しては昔から色々ありました・・・。
SHIMANOグラベルコンポ「GRX」も発表されて、”シングル化の勢い”が増してきていますので、
PCDの大きいナローワイドチェーンリングも含めて、ますます色々な規格が増えていきそうですね。
③ナローワイドチェーンリングの対応可能なリアの変速段数をチェック!
クランクの規格(仕様)がわかったら、それに取り付けられる「ナローワイドチェーンリング」を
探しましょう!無事、同じ規格のものを見つけられれば一歩前進です。
チェーンリングが見つかったら、次はそのチェーンリングの仕様を確認する必要があります。
対応可能なリア(後)の変速段数の範囲が指定されている場合がありますので確認しておきましょう!
(範囲外ですと、チェーンが外れやすくなってしまうなど、不具合が発生する可能性大です。)
さらに、表記されている範囲内でも”チェーンの質”によっては微妙という場合もあったりしますので、
その辺りは個別にご相談ください。
チェーンにもナローワイド対応・非対応があったりしますが、非対応でも違和感が気にならない場合も
あったり、対応しているはずなのに微妙だったり。。。もう何がなんだか・・・ですね。
例えば、人気のRACEFACEのナローワイドチェーンリングの場合、
(現行モデルですと)9/10/11/12速対応と表記されています。
(ちなみに)RACEFACEのチェーンリングもマイナーチェンジをしていますので、
旧モデルの場合は仕様が異なる場合がありますのでご注意ください。
この辺りで『え?そうなの?』という人も多いのではないでしょうか?
そうなんです。ただ、フロントのチェーンリングを1枚にしたいだけなのに
後ろの変速段数もかかわってくるんです。
つまり、後8速の場合に”RACEFACEのチェーンリングを使いたい”と思ったら、
後ろの変速段数を9速以上にする必要があって、そうするためには、カセットスプロケットや
リアディレイラーやシフターなどを変えないといけないですし、
ホイール(リアハブ)が9速以上に対応していなければ、ホイール(リアハブ)交換も必要になります。
④実際に取り付けしようとすると”あれ?”があるかも!?
さて、やっと準備が整って、いざ取り付け!となってからも、”あれ?なんか違う”という
シチュエーションが起こりうるんですよね。。。
クランクとチェーンリングの取り付け方法やサイズがあっていても
(特にそれぞれのメーカーが異なる場合は)うまくはまらない場合があったり、
(↑ご了承のうえ、少し削ってハメ合わせたこともあります。)
取り付けボルトをもともと使っていたモノとは長さを変えてあげた方が良い場合もあったりします。
(↑チェーンリングの厚さが異なる場合があったり、ねじ切りだけで固定する場合もあったりするからです。)
フロントトリプルorダブル用のクランクのままフロントシングルに変える場合は、
チェーンラインの問題も出てきたりしますので”変速の調子がよくない・・・”
なんて可能性もあります。(リアディレイラーの調整でなんとかなる場合もあります。)
(ちなみに)現行のシマノSLXクランクのフロントダブル用(FC-M7000-11-2)と
フロントシングル用(FC-M7000-11-1)はほぼ※2一緒ですので、
フロントダブル用クランク(FC-M7000-11-2)をお持ちの場合は
シマノ純正チェーンリング(SM-CRM70)を準備すれば、”シングル化が可能”になります。
(これらのPCDは96mmです。)
※2まったく同じと言うとメーカーさんに怒られるかもしれないので、”ほぼ”と書いておきます。
新しい規格や仕様の変更(進化)は毎年のように行われていて、事情が変わる場合も多く、
ブログで”あれ?なんか違う”という場合の対処法を掲載することができず申し訳ありません。。。
今でもなお、現物を取り付けしようと思ったら”あれ?なんか違う”に出くわすことは多々ありますので。。。
⑤スタビライザーとセットで鬼に金棒!
メーカーによって呼び名が異なりますが、リアディレイラーにチェーン暴れを抑制する機能が
ついているものがありますので、それらとナローワイドチェーンリングを組み合わせることで、
よりチェーントラブルを抑止することが可能になります。
(現時点ですと)リア10速以上の場合にそういった機能のついたモデルが登場しますので、
併せてご検討いただくのも良いと思います!
P.S.
チェーンリングの歯数を変更する場合はチェーンの交換が必要になる場合があります。
また、歯数を大きくするとフレームと干渉してしまう場合があったり、地面との距離が縮まるので、
段差でヒットする可能性が高くなったりするので、”歯数選び”にもご注意ください。
というわけで、『フロントをシングル化をしたい』と思ったら、
①ご自身のクランクの規格を調べて(実測して)、
②ご自身のクランク・変速段数にあったチェーンリングを探す。
もしくは、
■お気に入りのチェーンリングを先に決めておいて最適化するようにカスタムしていく。
という流れになるかと思いますので、これらを踏まえてご検討いただければと思います。
上記情報はブログ投稿時点のものです。
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